はじめに
最近のニュースで、ベトナム政府が仮想通貨取引に関する大きな規制強化と試験的な制度を発表しました。以前の全面禁止的な流れとは異なり、「管理された枠組みの中で仮想通貨を認めていく」という方向性です。この記事では、その内容と初心者が知っておくべきポイントを解説します。
ベトナムの「5年パイロットプログラム」の概要
- ベトナム副首相の Ho Duc Phoc によって署名された決議により、仮想通貨資産(crypto assets)全般について、5年のパイロット試験(2025年〜2030年) を実施することが決定。
- 試験制度の主な内容:発行・取引・支払いを含む仮想通貨活動は、国が定めたライセンスを持つ企業のみが行えるようにする。
- 取引・支払い・発行はベトナム・ドン(VND)で行うことを義務付け。外貨建てまたは法定通貨裏付けの仮想通貨(ステーブルコインなど)は発行不可。
規制内容の主なポイント
■ 登録企業の条件
- ベトナム企業であること
- 法令に登録された有限会社または株式会社であること
■ 最低資本金
- 10兆ドン(約3億7,900万ドル)
■ 出資構成
- 最低65%を機関投資家からの出資
- 外国の所有比率は49%以下に制限
■ 期限の猶予
- 最初のライセンス認可後、6か月以内に未認可の取引所から承認済みプラットフォームへ資産を移動
- 移行しない場合は罰則の可能性あり
初心者が押さえておくべき影響・注意点
- 取引所選びが重要に
ライセンスを取得していない取引所を使い続けると、法的なリスクが生じる可能性あり。将来的に資産移動が求められることも。 - 価格変動・流動性への影響
規制が厳しくなることで流通が制限され、取引量・価格変動にも影響が出る可能性あり。 - 資産バックと透明性の強化
発行されるトークンは「実物資産による裏付け」が必要など、ステーブルコインや法定通貨裏付けのコインは対象外などの制限がある。 - 法律・税制の整備が進む
仮想通貨を合法的に扱う枠組みが法制度の中で明確化されつつある。これにより、税金や規制が今後は明らかになる可能性が高い。
ベトナムは「撤退」か?それとも「新しい規制付きの方向性」か
- 今のところ、「撤退」ではなく「規制強化+管理下での運営」というスタンス。
- 全面的な禁止ではなく、国内企業による発行・認定取引所のみでの取引・ベトナム・ドンによる決済など、コントロールを重視。
- ただし、未認可の取引や外国取引所の利用に対しては将来的に罰則が考えられる部分があるため、仮想通貨ユーザー・投資家は動向を注視すべき。
まとめ
ベトナムの仮想通貨政策は、「全面禁止」から「管理された合法化」へ大きく舵を切っているようです。
初心者としては、以下の点を押さえておくと良いでしょう:
- ベトナム・ドン建て取引を求める規制 → 国際取引所や外資コインへのアクセスが制限される可能性あり
- 利用している取引所が将来的にライセンスを持つかどうか確認すること
- 規制による短期的な混乱・価格変動に備えること
この記事を参考に、最新ニュースを見逃さず、仮想通貨業界の変化に備えていきましょう。
コメント