暗号資産(仮想通貨)を取引する際に必ず目にするのが「取引所」という言葉です。
この取引所には大きく分けて2種類あり、「CEX(中央集権型取引所)」と「DEX(分散型取引所)」です。
どちらも暗号資産を売買する場ですが、仕組みや使い方、メリット・デメリットが大きく異なります。
ここでは初心者の方向けにわかりやすく違いを解説します。
1. CEX(中央集権型取引所)とは?
CEXは「Centralized Exchange」の略で、日本語では「中央集権型取引所」と呼ばれます。
例:Binance(バイナンス)、Coinbase、bitFlyer、Coincheckなど。
特徴
- 会社や運営組織がすべての取引を管理している
- 口座開設(アカウント登録)や本人確認(KYC)が必要
- 法定通貨(円やドル)から直接暗号資産を購入できる
- 使いやすいアプリやWeb画面、カスタマーサポートがある
メリット
- 初心者でも簡単に取引ができる
- 日本円などから直接購入できる
- トラブル時にサポートが受けられる
- 注文板取引(板)や指値・成行注文など多彩な注文方法
デメリット
- 資産を取引所に預けるため、取引所がハッキングされると資産が失われるリスクがある
- 規制や凍結などで引き出しが制限されることがある
- プライバシー(KYC提出)が必要
2. DEX(分散型取引所)とは?
DEXは「Decentralized Exchange」の略で、「分散型取引所」と呼ばれます。
例:Uniswap(ユニスワップ)、PancakeSwap(パンケーキスワップ)、SushiSwapなど。
特徴
- 管理者や会社が存在しないスマートコントラクト上の自動マーケット
- ウォレット(MetaMaskなど)を接続するだけで利用できる
- 仮想通貨同士のスワップ(交換)が中心で、法定通貨は扱えない
- 取引はすべてブロックチェーン上で完結
メリット
- 口座開設や本人確認が不要で匿名性が高い
- 自分のウォレットに資産を保管したまま取引できる(カストディ不要)
- 新しいトークンやマイナーなトークンもいち早く取引可能
デメリット
- 法定通貨から直接購入できない
- ガス代(ネットワーク手数料)がかかる
- 操作ミスをしても自己責任で、サポートがない
- 詐欺コインや流動性不足のトークンも多く、リスクが高い
3. どちらを使えばいいの?
- 初心者はCEXがおすすめ
日本円などから暗号資産を購入したい、操作に不慣れな人はCEXが安全です。 - 慣れてきたらDEXにも挑戦
CEXで購入した通貨をMetaMaskなどのウォレットに送って、DEXでマイナーコインをスワップする、という使い方が一般的です。
まとめ(比較)
- 運営:CEX=会社・組織が管理/DEX=スマートコントラクト
- 口座開設:CEX=必要(KYCあり)/DEX=不要(ウォレット接続のみ)
- 資産保管:CEX=取引所に預ける/DEX=自分のウォレット
- 法定通貨:CEX=対応あり/DEX=原則なし
- サポート:CEX=あり/DEX=なし(自己責任)
- 取引可能な通貨:CEX=メジャー通貨中心/DEX=新興・マイナー通貨も多数
CEXは「銀行口座のように便利で安心だけど管理者に頼る取引所」、
DEXは「自分が銀行になる自由な取引所」というイメージです。
初心者はまずCEXで取引に慣れて、ウォレット管理や送金の仕組みを理解してからDEXを使うようにすると安全です。

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